すぐにボケた写真を取れるようになれる4つの方法。

カテゴリー:カメラ使いこなし / 写真のコツ
よく雑誌なんかを見ていると、背景が柔らかくボケた雰囲気のある写真が載ってますよね。写真を始めたばかりとか、これから始めようとしている人から見ると、ボケた写真を撮るには特別なワザが必要なんじゃないかと思ってしまいがちですが、実はそんなことはありません。今回は、今すぐできる簡単にボケた写真を撮るコツをご紹介します!

準備するもの

準備するものはカメラとレンズ(初回は説明書も)。コレだけ!他に特別な道具は必要ありません。カメラ初心者でも問題なしです。

カメラと説明書を手元に置きながら読み進めるといいでしょう。

ただし、どんなカメラでもOKというわけではありません。ボケた写真を撮るためにはカメラの「イメージセンサー」の大きさがとても重要です。

作法:その1

「イメージセンサー」の大きなカメラを用意する!

以前のエントリーでも何度か登場しましたが、イメージセンサーというのはカメラの中にある写真を記録するための部品のこと。カメラの心臓部です。これが大きければ大きいほど、ボケた写真が撮りやすくなるんですね。

目安としてはミラーレスカメラ(レンズが交換できる小型のカメラ)以上を持っていればOK。残念ながらコンデジはちょっと難しいです。ボケないことは無いけれど、あまり効果を実感できないと思います。。携帯のカメラも厳しいです。。

この機会に自分の持っているカメラのイメージセンサーのサイズを知っておくとなにかと便利です。最近はカメラの種類も増えて、いろんなセンサーのサイズが出ていますが、大きく分けて4つ(とそれ以外)くらいに分類されます。大きいものから挙げてみましょう。カッコ内はセンサーのだいたいの大きさです。

  • フルサイズ(約36×24mm)
  • APS-Cクラス(約22×15mm)
  • フォーサーズクラス(約17×13mm)
  • 1インチクラス(約13×9mm)
  • それ以下のクラス

こんな感じでしょうか。簡単にボケ作れるのは上から3番目のフォーサーズクラスくらいまで。1インチでもボケは作れますが、下に挙げる”作法”をしっかり守らねばなりません。ちなみにほとんどのコンデジは”それ以下のクラス”です。

あなたが持っているカメラはいったいどのサイズでしょう?現在売っている有名どこのカメラを上記に当てはめてみましょう。

フルサイズ

一般的に使われるカメラの中で最も大きなセンサーのサイズ。キヤノンEOS 1D、EOS 5Dシリーズ、ニコンD3シリーズ, D700, D800、ソニーα900など。プロやハイアマチュアの人がよく使うカメラです。一番ボケが作りやすいですが、大きいし、お高いです。。

APS-Cクラス

皆さんが想像する、いわゆる一眼レフタイプのカメラはほぼこのセンサーサイズです。上記以外の、キヤノン(Kissシリーズ、60D etc)、ニコン(D3000, D5000シリーズ ect)、ペンタックス(K-シリーズ)、ソニー(α-シリーズ)から出ている一眼レフカメラはみんなこのクラス。また、ミラーレス(レンズ交換式小型一眼とかいろんな呼び名がある。。)の中ではソニーのNEX-シリーズ、FUJIFILMのX-Pro1、X-100(レンズ交換は出来ない)がこのサイズ。

プロが使うようなものから、入門用のものまでいろんなラインナップがあり種類が豊富です。

フォーサーズクラス

一眼レフタイプだとオリンパスのE-シリーズ、パナソニックのL-シリーズが採用しています。マイクロフォーサーズという規格も同じセンサーのサイズで、ミラーレスタイプだと、オリンパスのPENシリーズ、パナソニックのG-シリーズがこのサイズ。APS-Cタイプよりもちょっと小さいので、一眼レフタイプよりもコンパクトなミラーレスタイプのカメラに採用されることが多いですね。

また、ほぼ似たサイズでキヤノンのコンデジ、PowerShot G1Xのセンサーサイズは1.5インチ(19×14mm)でフォーサーズよりもちょっと大きいです。

もしこれから買おう!と思うなら、APS-Cクラスフォーサーズクラスがおススメです。

1インチクラス

ニコンのミラーレス、Nikon1がこのサイズですね。ちょっと中途半端なサイズなような気もします。。この辺でもボケは楽しめますが、いろいろ工夫しなければなりません。。

 

まずは自分の持っているカメラが、このクラスのカメラかどうか確認してみましょう。レンズが交換できるカメラであればほぼ確実にこのクラスなのでご安心を(PENTAX Q除く)。このクラスのカメラではない(もっと小さなイメージセンサーのカメラ)の場合は残念ながらボケの効果を実感しにくいカメラです。。

とはいえ、下の”作法”をしっかり守れば多少なりともボケを確認できるかもしれません。諦めずにとりあえずやってみるのがおススメ。

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設定のお作法

次はカメラの設定。オートだとまぐれでボケた写真を撮れることはあるけれど、今回は”狙ってボカす”がテーマなので、オートは卒業です。

なにはともあれAvモードで

カメラの設定はAv(絞り優先モード)に設定します。Avモードは絞り、シャッタースピード、感度のうち、”絞り”を自分で決めるモードでしたね。”絞り”って何??という人は先にこちらを読んでおくと便利です☆

上に挙げたような大きなイメージセンサーを使ってあるカメラならほぼ確実にこの設定が選べるはず。通常はカメラの上のダイヤルで設定できます。

”絞り”は写真の明るさをコントロールする以外に、写真の”ボケ具合”をコントロールできるという特徴があります。だから絞りだけは自分で決められるようにAvモードにするのです。

絞りは”F値(えふち)”とも呼ばれます。レンズやカタログを見ると「1:3.5-5.6」とか「f/4.5-5.6」とか「F-2.8」というような文字が書いてありますが、この「3.5」とか「5.6」とか「2.8」という数字がF値です。なんで、こんなキリの悪い数字ばかりなの??というのはココではひとまず置いておいて、この数字が小さければ小さいほど「明るくて、よくボケる」と覚えておきましょう。テストに良く出ます!(笑)

作法:その2

設定はAvモードで。F値はできるだけ小さく!

ちなみに、レンズによって書いてあるF値が違うのは、そのレンズの明るく出来る性能が違うから。高級なレンズほどF値は小さくなります。また、F値はどのレンズでもF22~32くらいまでは大きく(暗くてボケにくい)設定することが出来ます。たくさんボカすにはF値の小さなレンズを使うことが重要ですが、新しくレンズを買うのは大変なので、まずは手持ちのレンズで一番F値が小さくなるところまでダイヤルを回してください。センサーサイズが大きなカメラならまずはコレで十分です!

もし、複数のレンズを持っている人なら、レンズに書いてある数字を見て、一番F値の小さなレンズを使うのがいいでしょう。

Avモードを選んだ場合は、ちゃんとした明るさになるようにカメラが自動でシャッタースピードを選んでくれます。感度は自分で選べますが、もし面倒なら感度もオートにしちゃいましょう。カメラに慣れるまでは感度はオートがおススメです。

感度は”ISO(あいえすおー、いそ)”とか”ISO感度”とかと呼ばれます。カメラの設定で”ISO”と書いてあるところからオートに設定しておきます。

これで設定は完璧です!

長々と書いてしまいましたが、やることはシンプルです。Avモードにして、F値が一番小さくなるところまでダイヤルを回す。ISO感度はオート です!

ズームのお作法

上の二つは初めての人にはちょっと大変だったかもしれませんが、あとの二つは超簡単!難しい言葉は出てきません。

ボケの3つ目の特徴は、「ズームで撮れば撮るほど良くボケる」です。ズームできるレンズを持っている人は、出来るだけズームしてみましょう。

作法:その3

できるだけズームして撮る!

ズームしたらF値が大きくなってしまったんだけど。。となるかもしれませんが、あわてなくても大丈夫です。普通のズームレンズはズームするとF値が大きくなってしまうので故障ではありません。

もしズームできないレンズ(単焦点レンズといいます)しか持ってない人は、そのままでOK。単焦点レンズはズームできない代わりに、F値が小さいはずなので、そのままでもよくボケます☆

ちょっとコラム。。

ズームレンズはズームができるという便利な機能の代わりに、F値を犠牲にしています。一方、単焦点レンズはズームできない分、構造が単純なのでF値を小さく(明るく、ボケやすく)することができます。しかもコンパクト。
もし、将来レンズを買う時は、F値を犠牲にしてでも便利なズームレンズを選ぶか、ズームはできないけれど、コンパクトで明るくボケやすい単焦点レンズを選ぶかで悩んでしまうでしょう。それまでに、手持ちのレンズで自分にはどんなレンズが向いてるのかな?と少し考えておくといいかもしれません。
ちなみに、F値も小さくて、ズームもできるスゴイレンズ(大口径ズームレンズといいます)もありますが、一個10万~20万円もする高級品です。。しかもとっても大きいです。

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距離感のお作法

いよいよ最後のポイントですね。

いくらセンサーサイズが大きくて、F値が小さくて、ズームしたカメラで撮っても、撮り方が良くないと、効果を実感できません。最後は被写体との距離感です。

作法:その4

・被写体とボカしたいものとの距離をできるだけ大きくする!
・被写体はできるだけレンズの近くに!

ここでちょっと実験をしてみましょう。とっても簡単です。

自分の目を使って”ボケ”を体感する!

人間の目は単焦点レンズのようなものです。自分の目でボケの具合を確認すると、この作法の意味がとてもよく分かると思います。

まず、左手を前に伸ばし、手のひらを顔に向けます。次に右手を左手の前に持っていき、人差し指を立てます(もちろん逆でもOK)。この状態で、片目をつぶって、人差し指を見てみると、どうでしょう?人差し指と手のひら、両方にピントが合っていますね!

そこから左手はそのままに、人差し指をゆっくり顔のほうに近づけます。ピントが合うギリギリのところまで近づけます(老眼の人はちょっとキツいかなw)。するとどうでしょう?さっきまでピントが合っていたはずの左手がボケてませんか??

今度は右手はそのままに、左手を下げてみてください。人差し指に着目すると、遠くの景色や部屋の壁はもうボケボケで分からなくなっていますよね?

これがボケの原理です。被写体(人差し指)とボカしたいもの(左手)の距離が大きくなれば大きくなるほどたくさんボケるのですね。

さらに、左手は下ろしたまま、右手をもう一度伸ばします。その状態で人差し指に着目して遠くを見てみましょう(ピントは人差し指のまま)。さっきよりボケが小さくなりましたよね?遠くの景色に比べれば今動かした数十センチなんてゼロみたいなモンなのに、ボケの様子が結構変わったはずです。

ここでもう一つの法則、被写体をレンズに近づければ近づけるほど、よくボケる!ということがお分かりいただけたでしょうか。

つまり、目いっぱいボカしたければ、ピントが合うギリギリまで被写体に近づいて、背景との距離はできるだけ遠く(近くに物を置かない)すればいいのです!

まとめ!

上の4つの作法を知っておけば、ボケを作るのは超簡単!初心者でもすぐできちゃいます。

最もよくボカす方法は、上の4つを全部組み合わせた時。つまり、

  • 手持ちのカメラで一番イメージセンサーの大きなカメラを使う
  • 出来るだけF値の小さなレンズを使って、Avモードで一番小さく設定する
  • ズームできるなら目いっぱいズームする
  • 被写体にできるだけ近づいて、背景はできるだけ遠く

ということですね。

ただ、被写体によってはズームしちゃうとはみ出ちゃう。。とか言うこともあるので、その辺は今日覚えた4つの作法を念頭に置きつつ、適宜調節しましょう。

これで今日からボケを自在にコントロールできるようになるはずです!

作例

最後に、いくつか作例を挙げて見ますね!

E620 / ED 12-60mm F2.8-4.0 SWD / 60mm f4

オリンパスのE620というフォーサーズ規格のイメージセンサーのカメラで撮りました。雨の日にミニストップの駐車場にて。

一番F値を小さくして、最大までズームした状態でフロントガラスの水滴にめいっぱい近づきました。セオリーどおりの設定です。奥にあるミニストップの看板がボケボケになって虹のようになりましたね!

イメージセンサーの大きさがちょっと小さなフォーサーズですが、ココまでやればちゃんとボケますね。

すぐにボケた写真を取れるようになれる4つの方法。

EOS 5D Mark II / SP24-70mm F2.8 Di VC USD / 70mm f2.8

キヤノンのEOS 5D Mark IIというフルサイズセンサーのカメラで、F値の小さな大口径のズームレンズを使って一杯にズームして、F値も一番小さく。フルコースです(笑)ここまですると、奥のスプーンまでの距離はそれほど離れていないのにボケボケになります。

スプーンのキラキラしたボケがキレイに写りました!

すぐにボケた写真を取れるようになれる4つの方法。

EOS 7D / EF 24-105mm F4L  IS USM / 85mm f4

これもF値を小さくして、ピントを手前のグラスに。背景は遠くのシャンデリアです。明かりの一つ一つがキレイにボケました!ちょっとブレてますけど。。

イメージセンサーはAPS-Cサイズです。

すぐにボケた写真を取れるようになれる4つの方法。

EOS 7D / EF 70-200mm F4L  IS USM / 176mm f4

これは望遠レンズという遠くを写すことに特化したレンズです。レンズに書いてある**mmの数字が大きければ大きいほど、遠くのものを大きく写せます。ズームするということは**の数字を大きくすることなので、もともと**mmの数字が大きな望遠レンズを使うとボカしやすくなります。

手前から徐々にピントが合っていって、また徐々にボケていく様子が分かりますね。

すぐにボケた写真を取れるようになれる4つの方法。

EOS 5D Mark II / SP24-70mm F2.8 Di VC USD / 24mm f2.8

広い範囲を写したかったので、この写真はぜんぜんズームしていません。ズームしていないということは、”ボケにくい”ということですが、それでもボカしたかったので、F値をできるだけ小さくして、手前のサラダに出来るだけ近づきました。

フルサイズのセンサーと大口径のレンズの組み合わせなのでちょっと反則ですが。。

すぐにボケた写真を取れるようになれる4つの方法。

EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4L  IS USM / 70mm f4

この写真はちょっと応用編。

手前に被写体を持ってくるのではなくて、奥に被写体を持っていって、ボカしたいものを手前に置きました。基本の逆パターン。手前をボカすと写真に奥行きが出ますね!

こういうのを「写真に前ボケを入れる」って言います。

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この記事を書いた人
中原 一雄
中原 一雄 / studio9管理人
studio9(すたじお・きゅう)の管理、運営をしています。中の人です。 「写真をもっと、あなたのそばに」をテーマに、カメラに使われるのではなく、カメラと友達になる方法を広めるために活動中のフォトグラファー。 中原 一雄のプロフィールページ

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